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自主基準と倫理

動物用医薬品等の流通秩序に関する行動規範

昭和60年1 月10 日制定
平成17年6 月1 日改正
平成25年11月1日改正

動物用医薬品等は、動物の健康と福祉を守り、かつ、健全な畜水産物の生産と社会生活の質的向上に寄与するものである。
動物用医薬品等の要件である品質、有効性および安全性を、製造から流通段階を経てユーザーに使用されるまで保持するには、流通過程に関与する者が一致協力して流通秩序を維持することにより、品質の保全を図ることが必要である。
本協会員は、関係業者およびユーザーの理解ある協力を得て、有効かつ公正な競争の場を確立し、流通秩序の適正化を図り、もってよりよき動物用医薬品等の開発および供給に努めなければならない。
以上の使命を達成するとともに、業界の健全な発展に寄与するため、ここに行動規範を定める。
会員は、相互の信頼と協調の精神にもとづき、この行動規範に留意して活動することに努めるものとする。

1. 品質保全

動物用医薬品等の要件である品質、有効性および安全性を保全するために必要な取扱上の諸注意を遵守する。
動物用医薬品等の品質保全は、製造過程と流通過程の管理を適正化し、製造販売業者及び製造業者並びに販売業者の相互協力によってその実現を図る。
なお、昭和54 年6 月20 日付け「動物用医薬品等の流通における品質保全に関する実践規範」を遵守する。

2. 安定供給

動物用医薬品等は、動物の健康と福祉を守り、かつ、健全な畜水産物の生産と社会生活の質的向上に寄与するために、適正な生産の下、安定的に適切な供給ができる流通態勢の整備に努める。

3. 流通秩序の適正化

動物用医薬品等は、その特性をよく認識し、関係業界の協力の下に流通面の混乱を避け、正しい情報活動にもとづく適正な商習慣にしたがって公正な競争の場を確立し、流通秩序の適正化を図る。

4. 販売姿勢

動物用医薬品等の価格は、その医薬品の本質が有する品質、有効性および安全性から、各製造業者および販売業者の責任において公正な競争原理にもとづき自主的に設定する。
なお、会員は健全な経営を維持するために、不当廉売は行わない。

5. 販売に伴う景品類の提供
  1. 動物用医薬品等の景品類付き販売は、動物用医薬品等に対する社会的不信や批判を招くことのない景品類によって行うこととし、「不当景品類及び不当表示防止法」(昭和37 年法律第134 号)の規定の範囲内とする。
  2. 提供が制限される景品類を例示すると、次のとおりである。
    1. 現品添付
    2. 便益(内容が過大である場合、その提供行為が組織的、継続的である場合等)、労務その他の役務
    なお、便益、労務その他の役務には、引越しの手伝い、製造販売業者の宿泊施設等の無償利用等が該当する。
6. 試供品(サンプル)
  1. 試供品は、販売条件と誤られるような方法で提供してはならない。
  2. 売品包装は原則として試供品に使用しない。やむを得ず売品と同じ包装品を試供品として使用するときには、売品と明瞭に区別できるように包装に試供品と明示し、売品と区別する。
7. 広告・宣伝
  1. 広告・宣伝を行う場合は、下記の事項に留意する。

    (ア) 動物用医薬品等が目的とする動物の健康と福祉の向上および安全な食料生産並びに社会生活の質的向上に寄与することを本旨とするものでなければならない。

    (イ) 承認された効能・効果を超えるものであってはならない。

    (ウ) その内容についての責任を負えるものでなければならない。

    (エ) 真実な情報を正確に伝達し、獣医師等のユーザーに誤認させてはならない。

    (オ) 常に品位と良俗を重んじ、動物用医薬品等の尊厳性と信頼性を高めるように心がけなければならない。

  2. 他社の同類製品との比較広告を行う場合には、「比較広告に関する景品表示法上の考え方」(昭和62 年4 月21 日公正取引委員会事務局)の記載にしたがい、不当表示にならないようにする。
  3. TV等のマスメディアによる広告を行う場合には、具体的な製品の入手方法および製品説明資料等の入手先あるいは問い合わせ先等が明確に伝わるようにしなければならない。
  4. その他海外旅行招待、高価な物品の提供、大量の試供品提供等、過度に競争を激化させるような内容の広告・宣伝は好ましくない。
8. 情報の伝達

動物用医薬品等の品質、有効性、安全性および残留性等の技術情報の伝達は、販売活動の最も重要な根幹をなすことを認識し、正しい行動の下で、その普及に努める。

9. 直接販売の条件にならないサービス
  1. 中元、歳暮、慶弔、餞別およびこれらに類する儀礼的なものは、華美にならないように自粛する。
  2. 販売条件とならない招待(記念行事、研究会、説明会等)は、すべて華美にならないように自粛する。
  3. 寄付、協賛費、研究費、原稿料等は、常識的な額とし、過大にならないように留意する。
附則
  1. この規範は、昭和60 年1 月10 日から実施する。
  2. この規範は、平成17年6 月1 日から実施する。(平成17 年5 月12 日理事会議決)
  3. この規範は、平成25年11月1日から実施する。(平成25年10月7日理事会議決)
別添