成分及び分量(成分不明のときは、その本質)の欄には、使用する原料又は材料の品質に関する規格を付記する
例:日本薬局方食塩、JIS試薬一級ベンゾール等
ア 成分名
純品又は原末の場合は一般名又は化学名を邦文で記載すること
イ 成分の規格
規格内容を省略できる公定書は、次のとおりとされている。これら以外のものについては、放射線医薬品基準、生物学的製剤基準、
体外診断用医薬品原料規格、日本農林規格、外国公定書等を参考に規格を作成し、「別紙規格○○○」として添付する。
①日本薬局方(「日局」又は「J・P」)
②日本薬局方外医薬品成分規格(「局外規」)
③医薬部外品原料規格(「外原規」
④医薬品添加物規格(「薬添規」)
⑤食品添加物公定書(「食添」)
⑥殺虫剤指針
⑦動物用医薬品公定書(「動薬公」)
⑧動物用抗生物質薬品基準(動抗基」)
⑨承認不要動物用医薬品基準(不要基準」)
ウ タール色素
動物用医薬品及び動物用医薬外品に使用するタール色素については、取締規則第179条に基づき、「医薬品等に使用することができる
タール色素を定める省令」(昭和41年厚生省令第30号)に規定する色素を使用しなければならない。医薬品にあっては、製品の仕上がり
の色が明らかであれば、同省令別表に掲げるいずれの色素を使用するのかを明らかにする必要はなく、次の記載例によることができる。
ただし、この場合でも製造方法欄、規格及び試験方法欄において必ず当該製品の色調を明確にする必要がある。
記載例:厚生労働省で定められた医薬品等に使用することができるタール色素
別表(1)
エ 分量
(ア)製品全量を調節するのに用いられる賦形剤の量は、「適量」と記載することができるとされているが、注射剤、液剤における注射用水、
精製水、エタノール等の溶剤についても「適量」又は「○○○をもって全量○○○mlとする」の記載で差し支えない。
(イ)塩酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等をpH調整剤として用いる場合も、その配合量を「適量」と記載して差し支えない。
原薬を単に小分けした製剤(注射用の粉末を単にバイアルに入れたものを含む。)については、成分名及び規格のみを記載する。 例:別紙規格 スルファジメトキシン
製造販売しようとする品目の製造工程において原薬等登録原簿に登録されている原薬等を用いる場合にあっては、
当該原薬等に係る登録番号及び登録年月日を併記することとされている。
Q15:日本薬局方等公定規格基準書に収載されている成分の名称が変更となった場合は、軽微変更届出により変更することは可能か。
A:日本薬局方等公定規格基準書に収載されている成分の名称のその他行政 の定める手順に基づく変更の場合は、軽微変更届により変更できる
(イ)(ア)以外の成分については、一般名(INN)で記載することを原則とするとされ、一般名がないときは化学名等を記載することとされている。
Q16:一般名(INN)が変更された場合、又は新たに一般名が付けられた場合は、軽微変更届出により変更することは可能か。
A:成分の本質的な変更を伴わない一般名(INN)の変更、新たに一般名(INN)が付けられた場合は 軽微変更届により変更できる。
(ウ)配合する成分が承認を受けた日本薬局方外医薬品又は動物用日本薬局方外医薬品であるときは、販売名を記載するほか、
当該成分の製造販売業者名、承認年月日、承認番号を記載することとされている。
(エ)配合する成分が原薬等登録原簿に登録を受けたものであるときは、登録した品名を記載するほか、当該成分の登録業者名、
登録年月日及び登録番号を記載することとされている。
イ 配合する成分の分量 正確かつわかりやすく記載することとされている。
(ア)「約1g」等の記載は適当でない。
(イ)「本品100g中」「100mL中」「一錠(○○g)中」「1アンプル(100mL)中」等というように製品の規定量に対する成分又は分量を記載する。
(ウ)滑沢剤、香料、色素等微量を使用する成分については、原則として正確に記載又は「微量」とする。
(エ)製品全量を調節するのに用いられる賦形剤の量は「適量」と記載しても差し支えない。
ウ 配合する成分の規格
(ア)国内公定規格基準書の収載品を成分とする場合は、例えば「日本薬局方○○」と記載し規格の内容は省略する。
(イ)成分規格が日本工業規格(JIS)の場合は、「日本工業規格○○○」と記載し、その規格を添付する。
(ウ)厚生労働大臣の製造販売承認を受けた医薬品を成分とする場合、当該医薬品の承認書の写しを添付する。
(エ)原薬等登録原簿に登録されている原薬等を成分とする場合は、当該原薬等の登録証の写しを添付する。
(オ)(ア)~(エ)までのいずれにも該当しない成分の場合は、「別紙規格○○○」と記載し、規格の内容を別紙として添付する。
エ 成分の配合目的配合成分の各配合目的を明らかにするために、主剤、安定剤、防腐剤、保存剤、乳化剤、懸濁化剤、溶剤、
溶解補助剤、コーティング剤、矯味剤、着色剤、着香剤、無痛化剤、賦形剤等の別を次の記載例に従って記載することとされている。
(記載例)
100mL中
主剤 日局○○○ ○○○mg
安定剤 〃 ○○○ ○○○mg
懸濁化剤 〃 ○○○
○○○mg
無痛化剤 〃 ○○○
○○○mg
溶解補助剤 〃 ○○○
溶剤 別紙規格○○○ 適量
Q17:動物用生物学的製剤基準の改正に伴い、「成分及び分量」及び「規格及び検査方法」の変更が必要となった。軽微変更届での変更は可能か。
A:動物用生物学的製剤基準の改正等行政の定める手順に基づく変更の場合 は、軽微変更届により変更できる。
Q18:成分及び分量において、反すう動物由来物質を削除するため、主剤(共力剤等効果に影響を及ぼす成分を含む。)以外の成分の一つを削除することは、軽微変更届で認められるのか。
A:反すう動物由来物質を削除するためも含め、主剤(共力剤等効果に影響を及ぼす成分を含む。)以外の成分の一つを削除することは、当該製剤の本質に影響があると考えられることから、事項変更承認申請を行う必要がある(ただし、生物学的製剤のアジュバントについては、その削除や変更に当たっては、新規の承認申請を行うこと。また、共力剤の変更のように、主剤以外の成分の変更により生物学的同等性が明らかに異なる場合も新規の承認申請が必要である。)。
なお、反すう動物由来物質の変更のうち、軽微変更届出で対応できるものは、同等の物質の反すう動物由来物質から植物由来物質への変更、危険度の高い国から低い国への変更及び同一の区分の国間での変更である。
Q19:ワクチンにおいて、油性アジュバントの乳化剤を、反すう動物由来物質から植物由来物質に変更することは、軽微変更届出で可能か。
A:油性アジュバントの乳化剤を、同一の名称で同等の規格を有する反すう動物由来物質から植物由来物質に変更することは、軽微変更届出で差し支えない。
Q20:製造用原料において、反すう動物由来原料の原産国の追加は、軽微変更により可能か。
A:反すう動物由来原料の原産国の変更又は追加は、危険度の高い国から低い国への変更及び同一の区分の国間での変更において軽微変更届出で差し支えない。なお、追加した原産国の原料の安全性を証明する資料の添付が必要である。
Q21:粧原基が廃止されたことに伴い、油性アジュバントの乳化剤の規格を「粧原基」から「別紙規格」に変更するのは、軽微変更届により行うことは可能か。
A:規格の変更は原則として事項変更承認の対象となるが、「粧原基」から「別紙規格」への変更が規格の本質を変更するものではない場合は、軽微変更に該当する。
Q22:体外診断薬において、主剤でない成分及び分量に記載漏れが明らかとなった場合、軽微変更届で修正することは認められるのか。
A:製品の性能、規格その他本質に係る箇所において変更がない場合、主剤でない成分及び分量の記載漏れを修正することは、記載整備の範疇として軽微変更届で差し支えない。
Q23:体外診断薬において、構成品の成分や組成、容器、規格その他に変更がない場合において、構成品の一部の増量を軽微変更届により行うことは可能か。
A:変更内容の最終的な確認が不可欠であるが、構成品の成分や組成、容器に変更がなく、安定性等に影響する可能性が十分低いことを示せる場合において、軽微変更届で差し支えない。
Q24:既承認の動物用医薬部外品に着香料を加える場合、軽微変更届により行うことは可能か。
A:既承認製剤の成分及び分量を変更する場合は、新規承認か又は一部変更 承認が必要である。着香料等の主剤以外の成分を新たに追加する場合は、事項変更承認申請を行い、その必要性を明確に説明すること。ただし、この場合、事項変更承認は、その変更により当該品目の同一性が失われない と判断される限度において認められるものであることから、色、におい等 が著しく変わった場合には、一部変更と認められないことがある。また、 申請書に添付する資料は、資料番号2「物理的、化学的試験資料(実測値 に関する資料)」及び資料番号5「安定性に関する試験資料」となる。また、当該着香料の動物用医薬品等への使用歴、当該着香料の使用が製品の 品質・有効性・安全性に影響を及ぼさないことの説明が必要とされる。ただし、成分の変更が安定性に影響を及ぼさないことを合理的に説明できる場合には、「安定性に 関する試験資料」の添付を必要としないことがある。
Q25:再評価の標準処方製剤のビタミンを標準処方の内容にしたがって削除又は同種のビタミンに変更する場合は、軽微変更届により行うことは可能か。
A:「動物用医薬品再評価の実施について」(昭和50年1月16日付け
50畜A第222号農林省畜産局長通知)に基づく再評価結果の標準処方内であっても、承認された有効成分であるビタミンを削除する場合及び同種のビタミンに変更する場合は、軽微変更届及び事項変更承認申請により行うことはできず、新たな品目として承認申請が必要である。この場合、成分及び分量が標準処方に適合し、用法及び用量、効能又は効果が再評価基準の内容であるときは、添付資料として、規格及び検査方法に関する資料、安定性に関する資料が必要となる。
Q26:生物学的製剤において、製造原材料の安定剤として含まれていた「反すう動物由来物質」を「非反すう動物由来物質」に変更する場合、「反すう動物由来物質」に関する資料の削除を軽微変更届により行うことは可能
A:「反すう動物由来物質」を「非反すう動物由来物質」に変更する場合、軽微変更で差し支えない。
Q27:再審査において、申請書の製造方法の記載の整備が指摘され、文言の記載について整備する場合、軽微変更届により行うことは可能か。
A:製造方法の変更の範囲が実際の製造方法の変更に係るものでなく、単に文言の記載整備のみである場合は、軽微変更届により変更できる。
Q28:抗菌剤において、主剤の分量に誤記があることを発見した場合、軽微変更届出で変更は認められるか。
A:主剤の分量については、当該製剤の本質に影響を与えるものであるため、その変更は原則として新規の承認申請を行うこととする。 ただし、製剤の本質に影響がなく明らかに誤記であることが証明できる資料がある場合は、軽微変更で差し支えないが、薬事法第56条第2号に抵触するおそれがあるため、念のため取り扱いについて畜水産安全管理課薬事監視指導班に相談の上、対応することとなる。
Q29:ワクチンにおいて、主剤の分量に「以上」という記載漏れがあることを発見した場合、
軽微変更届出で変更は認められるか。
A:単に「以上」と追加することで、当該製剤の本質に影響がない誤記の修正であれば、軽微変更届出で変更することで差し支えない。ただし、影響があると判断される場合は、事項変更承認申請を行うこととなる。